自転車を複数の貸し出し拠点(ポート)の間で自由に乗り降りできるシェアサイクルが各地に広がっている。大阪市内では「HUBchari(ハブチャリ)」が、JR大阪環状線内を中心にポートを15カ所開設。小回りが利く移動手段として、訪日外国人観光客やビジネスマンの間で重宝がられている。
手軽な移動手段として自転車を借りる米国人観光客=大阪市中央区
利用者が最も多い大阪ミナミ・アメリカ村の「心斎橋ビッグステップ」北側のポートでは、利用者の約8割が訪日客。中国、韓国などアジア系が多い。スタッフは「大阪城に行きたいとか、そばや天ぷらの店を紹介してくれと尋ねられる」と話した。
アナログ会員は、1時間200円を現金で支払う。インターネット予約でクレジットカード払いのスマート会員(一部のポートに限る)は、30分150円で電動自転車を借りられる。
従来のレンタサイクルと異なり、特定地域内のポート間で乗り降りできるのが魅力だ。駅前や公共施設などの駐輪場の混雑緩和も期待される。
東京都心には約330カ所のポートが開設され、関西でも神戸、堺両市で実施されている。普及が先行する中国からは「Mobike(モバイク)」が今年8月、日本に上陸。札幌市を皮切りに事業展開する予定だ。
ハブチャリ利用者は年間約6千人に上る。地下鉄では楽しめないまち並みを眺められるのが、訪日客に受けているようだ。運営するNPO法人「Homedoor」の川口加奈理事長(26)は「2020年には環状線内120カ所に増やしたい。500メートルおきに拠点ができれば電車、バスに次ぐ公共交通となる」と意気込む。
出典:大阪日日新聞
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