龍神の新たな魅力探る 外国人向けモニターツアー実施

和歌山県田辺市龍神村で2月中、インバウンド(訪日外国人観光客)向けの観光資源を検討するためのモニターツアーが実施され、外国人らが散策や体験をしている。

モニターツアーは、外国人観光客における熊野古道人気の中、その恩恵が少ないとされる龍神村に新たな魅力を見いだして観光メニューにする試み。近畿運輸局の事業として2月の週末に計3回実施。近畿に住む英語圏、フランス語圏、スペイン語圏出身者に1泊2日で龍神村に滞在してもらう。それぞれ旅程を体験してもらい、外国人から見た龍神村についてアンケートを取る。

このほどあったツアーでは、福井の木工館「ジー・ワークス」を訪れ、箸作りを体験。地元産のヤマザクラなどを使い、サンドペーパーで箸の先端を細くしたり、保護用のオイルを塗ったりして仕上げた。地元の伝統和紙「山路紙(さんじがみ)」を使い、押し花などで模様を入れて箸袋も作った。

参加者からは、木に触れながらの作業は心が落ち着くといった感想があった。木工館ではこのツアーに合わせて体験を企画したといい、同館の松本泉代表(61)は「欧米人は環境問題に意識が高いと聞いた。日本文化である箸に触れる作業で、龍神村にある木の文化などを感じてもらえれば」と話した。小家にある工房「藍染計良(あいぞめけいら)」では、藍染めの体験をした。

ツアーでは他に、紀南地方で数少ない雪を楽しめる護摩壇山周辺で、専用具を足に着けて雪道を散策するスノーシューイングや、地域の氏神などを巡るコースの散策などを体験してもらうという。

出典:紀伊民報

https://www.agara.co.jp/article/48264/