コロナからの復活!インバウンド旅行者回復に向けて今やるべきこと
半年後、1年後、またはそれ以上になる可能性もあるインバウンド旅行者の回復。コロナ禍でまだまだ見通しが立たない状況ですが、いずれ回復の方向に動き出すことは間違いありません。その時あせって対応しても遅い為、今から(出来る範囲で)やっておくべきこと、検討しておくべきことを、地域や観光事業者向けに考えてみました。
■受入整備
インバウンド客への受入整備対応は常にクローズアップされるところです。観光地や観光施設及びホームページなどの多言語化、キャッシュレス対応、2次交通、体験コンテンツなどなど。ただし、すべての地域がすべてを完璧に対応する必要はなく、地域ごとの必要性に応じて最適な受入整備だけ行えば良いと思います。
あくまでも一例で、少し古い事例になりますが、2015年に野沢温泉の各店でモバイル決済の「Square」というサービスを導入した結果、それまでほとんど無かったクレジット決済額が2014年12月~2015年3月までの1回の冬季シーズンだけで6,500万円にも上ったという事例があります。野沢温泉ではオーストラリアからのスキー客を中心にそもそもインバウンド旅行者が多い地域となっていたことは前提としてありますが、潜在的なクレジットカード決済の需要に地域全体で対応(受入整備)したことでインバウンド消費を拡大できた好事例です。
参照元:https://news.cardmics.com/entry/nozawa-onsen-cardkessai/
また首都圏から離れている地域でよく課題として挙げられる内容が2次交通です。特に整備に時間がかかる部分でもあるので、地方自治体、DMO、交通事業者、空港などが一体となり連携した整備を今の内から模索することが重要です。
■日本人とインバウンドのバランス
コロナ禍前、顧客の大半がインバウンド客であった地域や事業者は現在厳しい状況に陥っています。その為、今後は日本人を中心に集客するように方向転換するなど集客バランスを意識的に考える必要があると思いますが、インバウンド客に人気がある観光資源の内、意図的にそうなった場合と意図的でない場合のどちらも存在すると思います。前者の場合はまだ集客バランスをコントロールしやすいと思いますが、後者の場合コントールすることが難しい可能性があります。その為、コロナ禍でインバウンドがストップしている間にインバウンドが回復してきた際の集客バランスをあらためて考えておくことも大事であると思われます。
■競合国との競争
インバウンド回復の雰囲気が出てきた段階では、当然航空路線(国際線)が回復してくる状況です。その為、世界全体で観光客の取り合い、誘致合戦が始まることが想定されます。その中で、例えば欧州を中心に考えるとタイ、インドネシア、中国、韓国、香港、台湾あたりが日本の競合国となり、中国を中心に考えるとフランス、イタリア、アメリカ、台湾、韓国、タイなどが日本の競合となるなど訪日インバウンドの競合国はどの国を中心に考えるか、また、航空路線の状況などにより様々なパターンが考えられます。その為、コロナ禍の今だからこそインバウンド獲得する為にはまず競合国と比較されていることをあらためて認識し、広い視野で自社コンテンツのブラッシュアップをしておくことが重要となります。
■まとめ
コロナによる風評被害対策は国が先頭に立って対応していくことであると思いますが、日本全国各地域でも対策及び予防案について検討しておくなど、インバウンド回復期に向けて「今できること」を「やるべきこと」として取り組んでいくことが重要です。ただし、1事業者でできることには限界がある為、地域全体及び各事業者が連携・協力して「インバウンド停止期」を耐えながら逆に有意義な準備時間とし、「インバウンド回復期」に素晴らしいスタートダッシュをきれるよう頑張りましょう!
その為に我々は存在しますので何なりとご相談ください。
著者:JOINT ONE 嶋田拓司