助け合いの精神こそ日本の魂!経済を止めない「支援の形」とは

『新型コロナウイルス対策支援コラム』を脱し、『読むセミナー』としてお送りしております。また、この記事は、海外・訪日インバウンドマーケティング情報マガジン【エの輪】と同じ記事を投稿しております。
学生たちの夏休みの真っただ中、帰省や観光などで人の往来が増える中、7月28日16時27分、熊本県を中心とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
まず何よりも優先されるべきなのは、甚大な被害を受けた地域の人命救助と被災者支援、そして一日も早い復旧・復興です。
そうしたなかで、地域経済の再生・復興には「観光」が果たす役割も非常に大きいことを忘れてはなりません。
現在、被災地域では宿泊予約のキャンセルが相次ぎ、観光事業者は大きな経済的打撃を受けています。
宿泊キャンセルによる大きな経済的損失
熊本地震を受けて開催された「第13回熊本県災害対策本部会議」の資料によると、今回の地震に伴う県内宿泊施設の被害は以下のように報告されています。
2026年8月3日正午時点(暫定値)
・宿泊キャンセル:約6万5,500人泊
・キャンセル額:約9億円
出典:トラベルボイス
「熊本地震、県内の宿泊キャンセルは約6.5万人泊、約9億円にのぼる見込み」
さらに、実際には大きな被害が出ていない地域でも、「九州全体が危険なのではないか」という不安や自粛ムードによる風評被害が広がり、宿泊予約や旅行のキャンセルが相次いでいます。
これは現地の観光業にとって、非常に深刻な問題となっています。
被害地域以外に住む人々も今回の地震を受け、不安を抱くのは当然のことですし、旅行や観光を控える動きが見られることも、被災地を心配する気持ちから生まれる自然な反応です。しかし、このような時だからこそ、日本全体の経済を止めないことが復興支援につながるのではないでしょうか。
筆者は、「経済を止めないことこそが、最大の支援になる」と考えています。
過度な自粛は、被災していない地域まで経済活動を停滞させ、「二次被害」を生み出してしまう恐れがあるからです。
過度な自粛が生み出す「二次被害」
観光客の減少による影響は、ホテルや旅館だけにとどまりません。
地域の飲食店、お土産店、農家、漁業関係者、交通事業者など、観光を支える地域経済全体のサプライチェーンに大きな影響を及ぼします。
その結果、地域経済が停滞し、復興のスピードをさらに遅らせてしまう可能性があります。
実際に、東日本大震災や過去の熊本地震では、風評被害によって観光需要が落ち込み、地域経済が大きな打撃を受けたことは記憶に新しいところです。こうした経済的な停滞が、復興を遅らせる要因の一つとなりました。
私たちにできる支援
被災地を支える方法は、義援金やボランティアだけではありません。
「現地を訪れること」も、「遠くから応援すること」も、どちらも地域経済を支える力になります。
安全が確認され、通常どおり営業している地域であれば、最新の交通情報や自治体からの情報を確認したうえで、普段どおり旅行を楽しむことが、宿泊施設や飲食店、お土産店など地域で働く人々の暮らしを支えることにつながります。
一方で、現地を訪れることが難しい場合でも、九州産の農産物や特産品、工芸品などをECサイトや各地域のオンラインショップ・アンテナショップ等で購入したり、現地の特産品を取り扱う飲食店などに足を運んだりすることで、被災地とつながり続けることができます。こうした「応援消費」も、被災地や周辺地域で暮らす人々を支え、復興への大きな原動力です。
大切なのは、不安や風評だけで判断するのではなく、正確な情報をもとに、それぞれの立場でできる形の支援を続けることではないでしょうか。
■まとめ
観光を通じて生まれる宿泊費や飲食代、お土産の購入、交通機関の利用などは、地域で働く多くの人々の生活を支える大切な収入となります。その経済活動を継続することは、被災された方々の暮らしを支え、地域が再び前を向くための力にもつながります。
被災地への支援と、日本全体の経済を止めないこと。その両方を意識した行動が、地域の未来を支える力になるのではないでしょうか。

