世界70億人(超)がターゲット!?オンラインツアーの可能性について考える

コロナの影響で消失したインバウンド旅行者。その代替サービスとして開発が進んでいるのがオンライン(ヴァーチャル)ツアーです。日本人向けのオンラインツアーも多数開発されている中、訪日旅行のリピーターや訪日旅行に関心のある外国人に対して、インバウンド向けオンラインツアーの今後の可能性について、開発のポイントやリアルツアーへとつなげる方法などについて考えてみました。

◇◆各社造成が進むインバウンドオンラインツアー市場
コロナ禍の中、日本の観光地や食を紹介する海外(外国人)向けのオンラインツアーが多数開発されています。旅行会社、インバウンド体験ツアー運営会社、海外向けメディア、IT企業、バス会社、宿泊施設、DMOなど様々な事業者が開発・販売を開始しています。

インバウンドオンラインツアーとは、基本的には英語などができるツアーガイドが、用意された映像に合わせて観光地の施設、自然、グルメ、アクティビティ、日本文化などを30分~2時間程度で、Zoomなどの配信ツールを使って紹介することが一般的です。

中には、360度映像を活用し、参加者がスマホなどを動かし自由に見たい場所を見られるツアーやリアルで臨場感のある映像体験を売りにしたライブ配信形式のオンラインツアーも実施されています。

以下、過去関連コラムも参照ください。

観光業を止めない 新商流で新規開拓や将来に繋がるサスティナブル集客

/hanginthere-jpn-20020610/

◇◆インバウンドオンラインツアーの開発のポイント
では、インバウンドオンラインツアーの開発のポイントとして、どのような点があるでしょうか。最も考えなければいけないのは、どのような層に対してどのようなコンテンツを配信するかという戦略と企画内容です。

例えば、(極端な例ですが)訪日旅行のリピーターに対して、浅草・銀座、スカイツリーなど東京の人気観光スポットの情報を紹介しても、自身で何度も来訪している可能性もある為、満足度が高くない(集客できない)可能性があります。この点は集客及びプロモーション戦略にも関わってきますが、自社が実施することで強みが出せるツアー内容とターゲット及び集客媒体(プロモーション戦略)をセットで検討する必要があります。

また、リアルツアーにも共通して言えることですが、オペレーション担当となるガイドの質が参加者の満足度に直結するという点は十分に考える必要があります。逆にいうと映像は平均的なクオリティであっても、ガイドの質が高ければ、参加者の満足度を上げることができ、良質な口コミからリピーターや新規顧客獲得につながっていく可能性もあります。

◇◆インバウンドオンラインツアーの可能性
インバウンドオンラインツアーは、おおまかには以下の3つの可能性(特徴・強み)があると思います。

① リアルツアーへのきっかけづくり
ツアー参加者へのアンケートや調査データなどを見ていると、コロナ回復期には是非実際に訪問したいという声が多いように思います。これは日本に限らずだと思いますが、オンラインツアーへの参加をきっかけとして、その土地の自然やグルメ、文化や体験への関心が高まり、「行ってみたい」という思いが強まることが、オンラインツアーの最大の可能性であり、また特徴であると感じます。

②世界中から集客できる
時差というあらたな問題はあるものの、世界中すべてがターゲットとなり得るという可能性です。世界中から集客できる可能性があると考えれば、極端な話しですが、リアルツアーより収益性がよくなる可能性があります。参加者側からすれば、アメリカと中国で遠距離恋愛をしているカップルが同じ日本のツアーに参加することもできるなど、リアルツアーではありえないオンラインツアーだからこそのシュチエーションは、ビジネスチャンスとなるのではないでしょうか。

③越境ECなど物販との連携

リアルツアーでも連携できる可能性はありますが、オンラインである為、よりECサイトなどとの連携を図れるのではないでしょうか。海外向けツアーであることから、ECも越境ECであることが必要ですが、ツアー映像で紹介した特産品の購入希望者を越境ECへ誘導することなどは収益の拡大や顧客満足度の向上という観点からも可能性があると思います。ただ、ECサイトの案内方法や頻度などを間違うと逆にクレームになる可能性もある為注意が必要です。参加者はツアーに関心があり参加したということを大前提に顧客視点で企画設計することが大切です。

◇◆まとめ
インバウンドオンラインツアーは、コロナ禍において、リアルインバウンドツアーの代替えサービスとしての可能性は十分あると思います。また、オンラインだからこその付加価値(世界中がターゲット、越境ECとの連携、など)もあり、今後のさらなる商品開発が期待できます。ただ、筆者の個人的な意見としては、リアルな空気間であったり、現場でしか味わえない雰囲気を含めて「旅行」だと思うので、オンラインツアーはリアルツアーにつなげる為のあくまでも一つのツールとして発展していってほしいと願っております。

著者:JOINT ONE 嶋田拓司