万葉歌碑の魅力発信 高岡市 観光振興協 モデル事業に
高岡市は今月から、日本観光振興協会(東京都)が進める地域ブランド開発推進事業のモデル事業として万葉歌碑魅力発信プロジェクトに取り組む。万葉集を観光に活用する事業で、全国で最初に同市が選ばれた。
市は、万葉集を編さんしたとされる奈良時代の歌人大伴家持(おおとものやかもち)が越中国守として赴任した地であり、市内には万葉集の和歌を刻んだ歌碑も多い。
市内の歌碑約五十基の中から北部エリア(伏木地区)を中心に二十五首を選び、解説文と英訳を作り、歌碑めぐりサイトや歌碑マップ・リーフレットを作る。歌碑を解説するQRコード付き副碑を歌碑の近くに置く。英訳は文化庁の文化財多言語解説整備事業の翻訳家に依頼する。
「万葉集全20巻朗唱の会」や「越中万葉かるた大会」などを催す高岡市の「万葉のふるさとづくり」の取り組みが、市民の万葉集への愛着や浸透につながっていると評価された。
市が中心に組織した実行委員会でプロジェクトを進め、事業費千二百万円は協会が全額負担する。市はこの事業を活用し、アフターコロナの観光需要を見据え、万葉故地の周遊や観光振興、インバウンド(訪日外国人旅行者)に向け、万葉集の歌の魅力を全国に発信する。
出典:中日新聞