行政・政治 : 伊那市の農家民泊で海外誘客 県の受け入れ地域に

伊那市は今年度、県の「インバウンド(海外誘客)受け入れ地域拡大事業」3地域の一つに選ばれた。同市が推進する農家民泊を海外誘客に結び付けていく。県はインバウンドに関するアドバイザー派遣、情報ツール作成など選定地域を支援する。市観光協会は1日、同事業の初めての取り組みとして、農家民泊の外国人受け入れセミナーを市役所で開いた。

市内には農家民泊に取り組む農家が約30軒ある。昨年度は外国人の農家民泊が727人で、中国、台湾の旅行者など200人を超えた月もあった。市内は宿泊施設が少ないとされ、農家民泊の外国人客受け入れをインバウンド拡大につなげていきたいという。

セミナーは、農家民泊に取り組む市内約20人が、外国人客を受け入れる方法などについて理解を深めた。講師の小林一郎さん=上田市=が代表を務める「信州せいしゅん村」は、地域活性化策として2005年から外国人旅行者の受け入れを始め、13年には1987人の外国人客が宿泊した。

小林さんは「17カ国から訪れ、言葉は通じないが、言葉でびびっていたらどうにもならない。言葉が分からなくても思いは互いに理解できる。人は触れ合って成長する。1人でも2人でも来てもらい、自分たちの至らないところを直していけばいい」とアドバイスした。

伊那市は今後、同事業による情報ツールの作成などを計画している。選定された県内3地域の事業を統括する民間シンクタンクSCOP(本部・松本市)の末永龍介研究員は「農家民泊のインバウンドは珍しく、伊那市は県内でも進んでいる地域。外国人の受け入れ数、外国人を受け入れる農家民泊数も増えるよう、地域と検討して取り組みたい」とした。

出展:長野日報

http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=34578